公共職業安定所、通称ハローワークは国が所轄する職業紹介事業を行う機関です。無料で求人紹介や求職支援のサービスを受けることができます。
また、雇用保険に関する各種手当や助成金の支給、公共職業訓練の斡旋なども行っています。
ここでは、ハローワークの求人紹介について、利用できるサービスや手順などをみていきましょう。
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求人紹介のサービス内容
「求人」とは、企業などが雇うための人をさがし求めることです。雇うときの条件(雇用形態、職務内容、就業場所、給与、勤務時間帯など)を明示したものが「求人情報」「求人票」です。
逆に個人が仕事を探すことを、「求職」といい、仕事を探している人を「求職者」といいます。
ハローワークでは、求人情報をみるだけでなく、求職活動に必要なさまざまなサービスを受けることができます。
求職申込み
ハローワークを利用した求職活動をするには、まず求職申込みを行う必要があります。はじめて求職申込みをする方は、最寄りのハローワークに行って、求職申込書を記入、提出しましょう。
まだ勤務中で、今後退職を予定している方も、求職申込みをすることはできますが、現在の勤務先とトラブルにならないよう、退職時期や応募、勤務開始日などに配慮しましょう。
求職申込書に記載する主な内容
個人情報 | 氏名、性別、生年月日、現住所、 連絡先電話番号、メールアドレス |
就職についての希望等 | 希望する仕事(職種)、希望勤務時間帯、希望勤務地、 希望雇用形態、希望月収(時間給)、希望休日、転居の可否、 配偶者・扶養家族等の情報、条件・その他の希望など |
学歴・訓練等受講歴 | 学歴、職業訓練等の受講歴、免許・資格・特技 |
経験した主な仕事 | (最近のものから3件)職種、勤務期間、内容 |
直近の勤務先 | 業所名、雇用形態、勤務期間、退職(予定)の理由、 退職時(現在)の税込み月収 |
ハローワークからの連絡 | ハローワークからの連絡方法(可否) |
公開希望 | 個人が特定される情報を除いた求職者情報を 求人企業に公開することを希望するか否か ※企業側からスカウトされるケースは滅多にありません |
ハローワークでいきなり記入しようと思っても、分からないような項目もありますね。
事前に学校などの卒業年や学科などの名称、職歴の内容や勤務期間などを調べて、書き出しておくといいでしょう。記入済みの履歴書や職務経歴書があれば、参考になります。
インターネットからの求職情報仮登録
インターネット環境があれば、自宅のパソコンなどから求職情報仮登録(求職者情報)をすることもできます。
(仮登録番号を控えておきましょう。)
登録した内容は、CSVファイルでパソコン内に保存することもできますので、時間のあるときに仮登録しておくと、ハローワークでの手続きが楽になります。
仮登録したら、仮登録日を含む1週間以内にハローワークに行って、窓口で本登録の手続きをしてください。このときに、仮登録番号が必要になります。
障害のある方は直接ハローワークへ
ただ、障害のある方で、障害者求人の応募を考えている方は、確認事項があるそうですので、直接ハローワークの窓口に行ってください。
障害者手帳や療育手帳があれば、持参しましょう。
求職申込みが不要の人
雇用保険の基本手当(失業給付)を受給している方は、受給手続きの際に合わせて求職申込みを済ませていますので、新たな手続きは不要です。
また、直近1年以内にハローワークを利用したことのある方も、求職申込みは不要です。ハローワークカードや氏名・生年月日などで前回の情報を照会できます。
以前と希望条件などが変わっている場合は、申し出て訂正してもらいましょう。
求職申込後のサービスの利用方法
ハローワークのサービスを利用する場合は、以下の手順で申し込みます。
- 受付に行ってハローワークカードを提示し、希望のサービスを伝えましょう
- 求人検索端末(パソコン)を使って、求人検索をしましょう。
- 職業相談・紹介の申込をしましょう。順番がきたら窓口で職業相談や紹介をしてもらいます。
職業相談や紹介を受けずに、求人検索だけを利用することもできます。失業手当をもらいたい人は、求人検索端末(パソコン)を使って求人検索をしただけでは、求職活動の実績として認められないので注意しましょう。
続いて、職業相談、職業紹介、個別相談、各種セミナーについて説明します。
職業相談を受ける
職業相談では、自分に合う仕事を探すための自己分析や、求職活動の進め方、応募書類の書き方や面接のマナー指導など、あなたの就職に向けたさまざまな支援を受けられます。
より詳しく知りたい方は、「Q.職業相談ってどんなことができるの?」をご覧ください。
職業紹介を受ける
応募したい求人が見つかったら、その企業への紹介を申し込みましょう。窓口で、希望する求人番号を提示すると、内容の確認や問合せをしてもらえます。
詳細が確認でき、応募することになったら、紹介状が発行されます。応募書類を郵送する場合は同封し、直接面接に行く場合は忘れないように持参しましょう。
より詳しく知りたい方は、「Q.紹介されてから面接・採用までの流れって?」をご覧ください。
個別相談を受ける
窓口を利用した職業相談では、毎回、職業相談員が変わったり、長く待たされる場合があります。
継続的な職業相談を希望する場合は、個別相談を申込みましょう。基本的には、毎回決まった職業相談員に、日時を予約して相談することができます。まれに、相談員の都合で変更になる場合もあります。
求職活動がなかなかうまく進まない方は、信頼できる相談先を確保して、腰を落ち着けて取り組むのもよいでしょう。
各種セミナーを受ける
ハローワークでは、窓口での相談だけでなく、定期的にセミナーを開催して、応募書類の書き方や面接のマナー指導などを行っています。
雇用側である事業所の方の講演や、新卒者向け、既卒者向けのセミナーもありますので、インターネットで調べたり、最寄りのハローワークに問い合わせてみましょう。
また、このようなセミナーへの参加や、窓口での職業相談、紹介は、雇用保険の基本手当(失業給付)を受給するために必要な、認定期間中2回以上の求職活動にカウントすることができます。
パソコンを使った求人検索
ハローワーク内の求人情報検索用パソコンを使う
ハローワークには、求人情報専用の検索端末(パソコン)が用意されています。職業相談や職業紹介の前に、自分で条件を入れて希望の求人を探しておきましょう。
タッチパネル式で、パソコンの操作が苦手な方も利用できるようになっています。操作方法が分からない場合は、受付の方に問い合わせましょう。
希望に合う求人が見つかったら、印刷するか求人番号を控えて、窓口で相談しましょう。
ハローワークインターネットサービスの活用
ハローワークに行かなくても、パソコンやスマートフォン・タブレットなどで求人情報を検索することができます。
インターネット上で求人情報を検索することができるサービス・Webサイトを、ハローワークインターネットサービスといいます。
ハローワークインターネットサービスの使い方
ハローワークインターネットサービスのWebサイトを開いたら、「求人情報検索」というボタンをクリックしてください。
「基本条件」を入力して、「検索」ボタンをクリックすると、さらに「詳細検索条件」を入力する画面が表示されます。
詳細検索条件は、必要な箇所だけ入力すれば検索することができます。「就業場所」「応募条件」などの項目名をクリックすると、入力エリアが表示/非表示されるので、絞り込みたい内容を入力しましょう。
詳細検索条件を入力する際の注意点
求職番号を入力しなくても検索できますが、一部の求人で求人事業所名等を見ることができません。詳しくは、よくあるご質問(仕事をお探しの方)のQ2.を参照してください。
免許・資格を指定すると、その免許・資格が必要な求人だけが検索されます。特に免許・資格を活かした仕事だけを探したい場合に入力しましょう。
ハローワークインターネットサービスでは、求人情報検索の他に、ハローワークの利用方法の説明や、役立つ情報の提供が行われています。
求人情報は毎営業日に更新されます。手軽に見ることができますので、就職を検討している方は、こまめにチェックしてください。
まとめ
ハローワークの求人紹介は、仕事の紹介はもちろんのこと、履歴書や職務経歴書の書き方、面接時の注意点、面接後のお礼状の書き方など、就職するために必要なアドバイスをしてくれます。
人にはなかなか聞けないことも多いと思いますので、しっかり利用するといいでしょう。
続いて「Q.紹介されてから面接・採用までの流れって?」をご覧ください。