Q.職業訓練でどんな資格が取得できる?

[更新日]  ハローワーク求人情報局

職業訓練にはたくさんのコースがあり、取得できる資格や技能もさまざまです。実務経験のある方が資格を取ることで、より条件の良い仕事に就くことができる可能性が広がります。

未経験の仕事への転職を目指している方は、職業訓練を活用するといいでしょう。中途採用の場合、どうしても経験者や有資格者が優先されがちです。しかし職業訓練を受けることで経験不足を補い、必要な資格や知識や技能を身につけた上で、新しい仕事にチャレンジできるからです。

実際に職業訓練の種類や、取得できる資格・技能について説明します。

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職業訓練の種類

職業訓練には「公共職業訓練」と「求職者支援訓練(旧:基金訓練)」の2種類があります。

公共職業訓練は雇用保険の失業手当を受給している方向けの訓練、求職者支援訓練は雇用保険を受けられない方向けの訓練、という分類になっています。

公共職業訓練 雇用保険の失業手当を受給している方向けの訓練
求職者支援訓練 雇用保険を受けられない方向けの訓練

公共職業訓練と求職者支援訓練の違い

公共職業訓練と求職者支援訓練の違いは、公共職業訓練に応募する際に、失業手当を受給している方がやや優先される程度の違いといわれています。

失業手当を受給している方は、求職者支援訓練を受講しても、引き続き失業手当を受給することができます。雇用保険を受けられない方も公共職業訓練を受講することは可能ですが、失業手当を受給することはできません。

公共職業訓練

公共職業訓練は、国と都道府県が実施しています。

ポリテクセンター(職業能力開発促進センター)

全国のポリテクセンターでは、高度なものづくり分野における技能及び知識を習得させるための職業訓練を実施しています。

技術系のコースが多く、金属加工技術や電気設備技術、大掛かりな住宅リフォームなどの設備があるのが特徴です。

女性の訓練生も多く、また職種が多様化したことで、女性のものづくり分野への就職も増えています。平成26年度の女性受講者の就職率は約90%です。

ポリテクセンターの訓練のコース例

訓練コース 取得できる技能・資格 訓練期間
ビジネスワーク科 ワープロ3・2級、表計算3級、簿記3・2級 6カ月
テクニカル
オペレーション科
CADトレース技能審査、CAD利用技術者試験、技能検定 6カ月
金属加工技術科 ガス溶接・玉掛け技能講習修了証、アーク溶接、
クレーン運転の業務特別教育修了証、JIS溶接技術検定試験
6カ月
溶接技術科 ガス溶接技能講習、アーク溶接特別教育、
自由研削砥石取替え特別教育、溶接技能者評価試験
6カ月
ビル管理技術科 第二種電気工事士、第三種冷凍機械責任者、
消防設備士乙種第4類、危険物乙種4類
6カ月
電気・通信施工技術科 第二種電気工事士、工事担任者DD3種 6カ月
住宅リフォーム技術科 建築CAD検定、CADトレース技能審査、CAD利用技術者試験、
技能検定、福祉住環境コーディネーター
6カ月

各地のポリテクセンターによって、訓練コースや取得できる資格に違いがあります。厚生労働省ホームページ内の公共職業訓練コースのページで確認しましょう。

都道府県立職業能力開発校

各都道府県には、さまざまな職業能力開発校が設置されています。長期間及び短期間の職業訓練を行うための施設で、全国に200校近くあります。

高等技術専門校、職業能力開発センター、産業技術専門学校などといろいろな名称で呼ばれています。

ポリテクセンターとの違い

ポリテクセンターがものづくり分野の訓練コースを実施しているのに対して、職業能力開発校では、ものづくりはもちろん、DTPやWebデザイン、アパレルなど、時代のニーズに合わせた訓練コースを行っています。

地方では、大分県竹工芸・訓練支援センターの、地元別府市の伝統的工芸品である竹細工を取得する竹工芸科や、香川県が民間に委託しているさぬきうどん科など、ご当地ならではの訓練コースも設けられています。

民間の教育機関が行う委託訓練

都道府県から委託された民間の教育機関が行う委託訓練では、農業や林業を学ぶ移住型の訓練なども新設されていて、都会からのIターン移住者の呼び水になっています。

優良の職業訓練コースも

東京都の都立職業能力開発センターでは、訓練期間が1~2年の有料の職業訓練コースが設置されています。

コース内容は、機械関係、建築・造園関係、電気関係、塗装・印刷関係、情報関係、ファッション関係、その他と多岐に渡っており、また、概ね30歳以下の若年層を対象にしたコースと一般向けのコースが分かれているのが特徴です。

東京都以外にも、訓練期間の長いコースについては、有料化の動きが進んでいます。

職業能力開発校の訓練コース例

訓練コース 取得できる技能・資格 訓練期間
OA事務科 簿記検定2級~3級、電卓検定段位~2級、
ワープロ検定1級~3級、表計算検定1級~3級、
計算実務検定2級~3級、社会人常識マナー検定2級~3級
1年
医療事務科 医療事務認定実務者試験、ワープロ検定1級~3級、
表計算検定1級~3級
3カ月
DTPデザイン科 DTPクリエーター認定試験3級、DTPエキスパート 6ヵ月
ソフトウェア管理科 基本情報技術者、Javaプログラミング能力認定試験 1年
アパレルサービス科 販売士検定3級、2級技能検定 1年
介護サービス科 介護職員初任者研修、コンピュータサービス技能評価試験
(ワープロ部門、表計算部門)3級、福祉住環境コーディネーター、
介護事務管理士、実務者研修、地域レクリエーション指導員資格
6ヵ月
調理科 調理師免許(実務経験後) 6ヵ月
住まいリフォーム科 福祉住環境コーディネーター3級 6ヵ月
塗装技術科 険物取扱者(乙種4類、2類)、有機溶剤作業主任者、
アーク溶接特別教育
1年
造園科 小型移動式クレーン技能講習、玉掛け技能講習、
高所作業車技能講習、小型車両系建設機械特別教育、
チェンソー特別教育、刈払機特別教育
6ヵ月

各職業能力開発校によって、訓練コースや取得できる資格に違いがあります。厚生労働省ホームページ内の公共職業訓練コースのページで確認しましょう。

求職者支援訓練

求職者支援訓練は、国から委託を受けた民間の教育機関等が行う職業訓練です。公共職業訓練よりも短期間で、いろいろな訓練コースが頻繁に募集されます。

募集人数が集まらず非開講になるケースもあるので気をつけましょう。

訓練は、基礎コース(初級)と実践コース(上級)に分かれ、基礎コースの最初の1ヶ月は職業能力開発講習を受講することになっています。

求職者支援訓練の訓練コース例

訓練コース 取得できる技能・資格 訓練期間
オフィスワーク基礎科 基礎 MOS Word、Excel、秘書検定3級 3カ月
パソコン基礎科 基礎 MOS Word、Excel、PowerPoint 4カ月
経理事務基礎科 基礎 MOS Word、Excel、PowerPoint、
ワープロ検定3級、表計算検定3級、簿記検定3級
4カ月
医療事務科 実践 医療事務技能審査試験、
医事オペレータ技能認定試験
3カ月
介護職員
初任者研修科
実践 介護職員初任者研修課程修了 3カ月
ファイナンシャル
プランナー養成科
実践 3~2級ファイナンシャル・プランニング技能士、
証券外務員一種・二種
3カ月
エステティシャン
養成科
実践 エステティシャン初級、
ボディセラピストベーシック
3カ月
ネイリスト養成科 実践 ジェルネイル技能検定試験3級~1級、
ネイルテクニカルデザイン検定試験3級~1級
4カ月
トリマー養成科 実践 トリマー検定3級、トリマーズライセンス 6カ月
Webデザイン科 実践 Webクリエイター能力認定試験エキスパート、
3級ウェブデザイン技能士、ネットショップ検定レベル1
6カ月
農業人材育成科 実践 日本農業技術検定3級 日本農業技術検定協会 6カ月

※各訓練施設によって、訓練コースや取得できる資格に違いがあります。「求職者支援訓練 認定コース情報」で確認するようにしましょう。

資格を取得する2つの価値

職業訓練校での資格を取得することには、大きな価値が2つあります。

1.実力の証明

まずは、資格取得することで実力を証明することができます。難しい資格を苦労して取得すれば、履歴書の資格欄に堂々と書き込む事ができるのです。

なかには資格を持っていないと求人に応募すらできない職種もあります。建築や管理、医療や介護の仕事に就きたい方は、必要な資格を調べてしっかり取得しましょう。

2.まじめな努力の証明

取得できる資格の中には難易度の低いものもあり、資格を取っただけでは実力者とはいえない場合も多々あります。では簡単な資格取得には価値がないのでしょうか?

そんなことはありません。資格を全く取らずにいると「簡単な資格すら持っていない人・取れない人」という評価をされてしまう可能性もあります。

資格取得は実力の他に「訓練中まじめに努力しました」という態度の証にもなるのです。

資格取得を目的とした訓練コースを受講したのに、もしなんらかの事情で資格を取らない場合は、面接の時に「職業訓練では何を勉強しましたか?」というような質問に困らないよう、事前に理由をまとめておきましょう。

特に、未経験分野の仕事にチャレンジする場合は、資格を取ることでやる気や適性のアピールになります。できることをコツコツ積み上げていきましょう。

再就職に役立つ資格とは?

一般的に日商簿記検定の2級以上を持っていると、再就職で有利だと言われます。

例えば30代で経理事務は未経験の方が、努力して簿記2級の資格を取ったとしたら、どのような将来が考えられるでしょうか。

経理事務は単なる知識だけでなく、実務経験が重要な仕事です。そこでキャリアプランとして、

  • 派遣でいいので、経理担当者が複数いる企業で経理事務の仕事を教わりながら覚える
  • 経理事務の仕事を覚えたら、正社員の経理事務に転職する

といった流れを考えることができます。

もし50代の方だったら、「派遣でいいから実務経験を積む」ということが、年齢的にかなり難しいと予想されます。実務経験が積めなければ、せっかくの簿記2級も意味がないと考えるかもしれません。

しかし、例えば起業するために経理を自分でやってみようと考えるのなら、50代でも経理の資格を活かして働くことができるでしょう。

このように同じ資格であっても、それが活かせる場合とそうでない場合があるのです。

自分のこれからに役立つ資格って?

では、今後の自分に役立つ資格とは何でしょうか。答えは求人票にあります。

求人票を見ると、自分が希望する仕事でどういう資格が求められているのか、知ることができます。視覚以外にも、賃金や労働時間の相場も分かります。就職活動をするなら、できるだけ早い時期から希望の仕事の求人票を閲覧すると良いでしょう。

流行りの資格、普遍的な資格って?

再就職はしたいけれど、特にやりたい仕事はないという人いるでしょう。

目的はないけれど、持っておくと得になりそうな資格があれば取っておきたい。そんな方におすすめの資格を考えてみます。

  • 保育士
  • 学校で取得する方が多いですが、独学でも比較的取りやすい国家資格です。一度取得すれば一生有効なので、子育てなどで仕事を離れても、有利に再就職ができます。

    慢性的な人手不足で、好条件が提示される求人も増えています。

  • 登録販売者
  • ドラッグストアや薬局で、一般用医薬品の販売が行える医薬品販売専門の医療系国家資格です。

    2015年4月の試験から、登録販売者の受験制限がなくなり、誰でも受験できます。

  • 介護職員初任者研修
  • 介護のお仕事を始めるためには、必須の資格です。職業訓練にも取得できるコースが各地にあります。

    実務経験を積むことで、介護福祉士やケアマネージャーにステップアップできます。

他に、年齢や立場を問わず普遍的に活かせる資格といえば、やはり語学でしょう。英検などもありますが、社会人ならTOEICがオススメです。TOEIC700点台であれば、日常のコミュニケーションが可能なレベルと考えられています。

見落としがちなところでは、普通自動車運転免許もあります。事務職など内勤のお仕事でも、ちょっと資料を届けに・・というときに、運転免許が必要になることはよくあります。

この他に、

  • 簿記
  • 電験三種
  • 社会保険労務士
  • 中小企業診断士

など、役に立つ資格はいろいろあります。役立つ資格は比較的難易度が高くなっています。

まとめ

ハローワークの職業訓練で取得できる資格をご紹介しました。自分が就職したい職業や仕事、また求職票に記載されている内容をもとに、どんな資格をとりたいか考えてみてはいかがでしょうか。

ハローワーク情報局では、職業訓練・能力開発に関連した疑問や質問、不安を解決する記事を掲載しています。引き続き職業訓練・能力開発についてまとめた記事をご覧ください。

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