ハローワークにはさまざまな職業訓練の情報があります。その職業訓練にはどうやって申込むのでしょうか。そしてどのように訓練を受け、卒業後はどう就職に活かすことができるのでしょうか。
職業訓練を受けるには、職業訓練の申込みは個人が自分の希望で勝手に申し込むことはできず、ハローワークを通じて申込をする必要があります。
職業訓練に申込む方法、試験・お金・手順、そして入校・入学から卒業・就職するまでの流れを説明します。
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職業訓練の流れ
では、細かく説明します。
1.ハローワークで求職申込をする
まずは、あなたの住所を管轄しているハローワークに行き、求職申込みをしましょう。どこのハローワークに行けばいいかわからない方は、全国のハローワークページから探すと便利です。
以前の仕事を退職し、雇用保険の失業手当の手続きを行った方は、すでに求職申込みを完了しています。ハローワークで受け取った「ハローワークカード」を持参してハローワークに行きましょう。
まだ求職申込をしていない方は、求職申込の説明をご覧ください。
2.職業訓練の情報を集める
職業訓練についての情報は、ハローワークの掲示板やパンフレットから集めましょう。また相談窓口で相談すると、自分にあった訓練を教えてくれます。
全国で数多く実施されている職業訓練と、訓練によって取得できる資格については、「職業訓練によって取得できる資格」の説明をご覧ください。
3.ハローワークで職業相談を受ける
受講したい訓練コースがまだ決まっていない方も、すでに決まっている方も、ハローワークの相談窓口で職業相談を受けましょう。そして、職業訓練を受けたいと伝えましょう。
職業相談であなたの再就職のために職業訓練が必要と見なされれば、訓練の申込みをすることになります。
受講したい訓練がまだ決まっていなかったら
受講したい訓練がまだ決まっていない場合は、どんな職業につきたいかを相談員に相談し、そのために必要な資格や訓練を教えてもらいましょう。
受けることができる職業訓練は、お住まいの地方によって異なっています。相談員が就職に必要で、お住まいの地方で受講することができる資格と訓練を教えてくれるでしょう。
受講したい訓練が決まっていたら
受講したい訓練がすでに決まっている場合には、職業相談の中で「なぜその訓練をうける必要があるのか」などを説明しましょう。
難しく考える必要はありません。
- 現在はスキル不足であること
- 資格の重要性
- 訓練を受けた後どのような会社に就職するか
などを説明できると、申込みがスムーズに進むでしょう。
職業訓練はいつでも受けられるの?
職業訓練は、受けたい訓練がいつでも行われているわけではありません。
入学が、3カ月に一度・半年に一度・1年に一度、と訓練とコースによって異なっています。入学のタイミングを逃すと、長い間待たなくてはなりません。受けたい訓練がある場合は、はやめにチェックしましょう。
4.訓練校の見学会に行く
職業訓練をする施設・学校って?
公共職業訓練を行う施設・学校は、国や都道府県の施設だけではありません。
- 職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)
- 各都道府県の職業能力開発校
- 都道府県から委託された民間の教育訓練機関等
などがあります。
見学会でのチェックポイント
職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)や職業能力開発校では、申込みの前に見学会を開催しています。
見学会にいったら、下記のチェックポイントを確認しましょう。
- 訓練内容は期待した内容か
- 通いやすい場所にあるか
- 建物や設備の快適さ
- 教官や訓練生の雰囲気
- パソコンなどの訓練では、ソフトの種類やバージョン
- 訓練コースの競争倍率
- 修了後の就職先、就職率
民間の教育訓練機関等で行われる訓練でも、ハローワーク経由で頼めば見学できます。後から後悔しないように、できるだけ見学するようにしましょう。
5.ハローワークで受講申込みをする
受講したい訓練コースが決まったら、ハローワークに願書を提出して受講申込みをおこないます。願書は相談窓口の相談員の方から受け取りましょう。
願書は、鉛筆・消せるボールペン・修正液は使用できません。もし書き間違いをしてしまい修正する場合は、二重線を引いて訂正印を押印しましょう。
職業訓練にはいくらかかるの?
公共職業訓練の受講料・費用は基本的に無料です。むしろ、職業訓練受講給付金という給付金がもらえる場合もあります。
有料で受講料が必要な訓練の場合はその旨明記されていますので、確認するようにしましょう。また減免制度もあるので、訓練校に問い合わせてみるのもいいでしょう。
ただし、無料の職業訓練でもテキスト代や作業服代・保険料などの諸経費は必要になります。すべてが無料というわけではないので、注意しましょう。
6.訓練校で選考試験を受ける
受講する訓練コースによって、面接試験・筆記試験・適性検査が行われる場合があります。民間の教育訓練機関等に委託される訓練では、選考試験は各都道府県が行います。
選考試験のポイントは、より訓練を必要としている方、訓練修了後に再就職する意思の強い方が選ばれるという点です。
選考に合格するとと、はれて入校・入学となります。
7.ハローワーク・訓練校で入校手続きをする
選考結果通知書で合格となっていたら、入校日までにハローワークへ手続きに行きましょう。また、指示がある場合は、訓練校でも事前の手続きが必要になります。
手続きに行かないと、合格が取り消されてしまいますので、注意しましょう。
入校についての確認事項
入校手続きの時に、入校に必要な事項を確認しておきましょう。
- 入校日はいつか
- 必要書類や持ち物は何か
- テキストや道具などの購入は必要か
- テキスト代などのお金は必要か
などです。
もしも不合格だったら
人気のあるコースでは、競争倍率が3倍を超えるものもあります。もしも不合格だった場合は、別の職業訓練や求職者支援訓練に応募しましょう。
8.訓練校で訓練を受ける
訓練校への入校
入校日には入校式とガイダンスがあります。テキスト等の配付が行われますので、必要なお金・代金を用意しておきましょう。
訓練を受ける
訓練コースで受ける訓練は、座学・実技などの技能訓練がメインとなっています。
就職してから技能・技術を十分発揮できるように、習得に励みましょう。知識や技能の習得が深いと、就職後の給与などが有利になる場合があります。頑張りましょう。
資格の取得が目的の訓練の場合は、資格試験の日程なども考慮して計画的に勉強を進める必要があります。あらかじめ試験の日程を把握しておきましょう。
また技能・技術の他にも、ビジネスマナーや就職支援の単元が設けられている場合もあります。有効に活用しましょう。
欠席・遅刻・早退するときは
欠席・遅刻・早退については、理由しだいでは手当の減額を受けたり、長期間続く場合は退校になってしまうケースがあります。
病気やケガなどで出席できる日数が少なくなってしまう人は、申込前・選考前にハローワークに確認しておきましょう。
また選考後も入校前のガイダンスなどで、 必要な出席日数や、欠席・遅刻・早退するときの説明があります。
医師の診断書や病院の領収書などが必要な場合もありますので、しっかり確認しておきましょう。
職業訓練ではどれくらいの期間訓練するの?
職業訓練の期間は、3カ月~6カ月のケースが多いです。訓練によっては1年・2年と長期間のものもあります。
特に長期間の職業訓練を受けたいときは「途中で辞めることにならないか」「その期間の生活は問題ないか」などをしっかり考えましょう。
訓練校を卒業する
訓練の最終日には修了式があります。訓練の成績はジョブカードに記載されます。就職活動でジョブカードの提出を求められるケースはほとんどありませんが、努力の成果として、無くさないように保管しておきましょう。
訓練中の途中退校
訓練中に就職が決まった場合、途中退校することになります。職業訓練の一番の目的は再就職することなので、あえて就職をせずに訓練を続けるのは本末転倒とも言えます。
訓練校に通っている最中でも就職する機会があったら、チャンスを逃さずに臨機応変に判断しましょう。
会社によっては、訓練修了まで入社を待ってくれる場合もあります。せっかくの勉強の機会を活かしたい方は、無理のない範囲で交渉してみてください。
就職、病気や介護といったやむを得ない理由以外の自己都合で途中退校する場合、次に職業訓練を受けたいと思ったときに、若干のペナルティが発生する場合があります。
9.ハローワークで卒業手続きをする
訓練校を卒業したら、ハローワークでも手続きをする必要があります。卒業後の手続きは、あなたの住所を管轄するハローワークか、訓練校の住所を管轄するハローワークかのどちらかで行います。卒業前に確認しておきましょう。
10.訓練校の卒業から就職へのつなげる
訓練校を卒業してから就職へつなげる方法は、
- 訓練校からの紹介を受ける
- 指導員のキャリアコンサルティングを受ける
- 訓練校の就職強化を利用する
- ハローワークで資格にあった求人を紹介してもらう
- 求人サイトや求人情報誌を活用する
といった方法があります。
訓練校からの紹介を受ける
訓練校や訓練コースによっては、協力企業内での研修を行うところもあり、訓練だけでなく実際の仕事現場の様子を体験することができます。
そして訓練校宛に来る求人もあります。習得した技能や資格に関わる求人を、訓練校が積極的に紹介してくれる場合もあります。
指導員のキャリアコンサルティングを受ける
訓練校では訓練の他にも、専門の指導員によるキャリアコンサルティングが行われます。
訓練の習得状況や、就職活動のタイミングの相談、応募書類の作成・添削、面接指導や、求人情報の紹介など、様々な就職支援を受けることができます。しっかり活用して就職にいかしましょう。
訓練校の就職強化を利用する
訓練期間の後半1~2ヵ月は、就職支援を強化する訓練校が多くあります。
就職支援とは、ハローワークや就職活動に出向けるように訓練時間が短く設定されたり、意図的に休日が組んである、などの支援です。うまく活用しましょう。
ハローワークで資格にあった求人を紹介してもらう
資格を取得すると、ハローワークでもあなたに適した仕事を探しやすくなります。就職相談で資格を取得した旨を相談員に伝え、資格にあった求人を紹介してもらいましょう。
またハローワークにあるパソコンによる求人検索や、ハローワークインターネットサービスでも、取得した資格をもとに仕事を探すこともできます。
求人サイトや求人情報誌を活用する
最後は一般的な求人サイトや求人情報誌を活用する方法です。
求人サイトでは資格ごとに仕事を探すことができたり、求人情報誌では資格ごとの特集が組まれていることもあります。
まとめ
職業訓練について、申込前の情報集めから卒業後の就職へのつなげ方まで説明してきました。ハローワークにはさまざまな資格や訓練についての情報が集まっています。有効に活用してスキルアップをし、就職につなげましょう。
職業訓練でどんな資格を取得できるのかについては「Q.職業訓練でどんな資格が取得できる?」をご覧ください。
また、職業訓練を受けることによる給付・手当やメリットについて知りたい方は「Q.職業訓練を受けるとどんな手当やメリットがあるの?」をご覧ください。